きんぼしの心 お伝えします。



きんぼしの塩


33年前

きんぼしを開店するにあたり、美味しい焼き鳥を出す為には、命となる塩を探すことが大事と塩探しが始まりました。市販の塩は口の中に長く塩辛さが残り、塩が勝ってしまう為、串を何本も食べる焼き鳥には不向きなものでした。

欲しいのは「塩辛さが後に引かない、優しくてまろやかな塩、さらに自身の旨味で焼き鳥をおいしくしてくれる塩」

 試行錯誤の末に出来た塩は日本人に馴染みの深い海水塩を天然自然素材の昆布、カツオ出汁の中に入れ、再度煮詰めてサラサラの塩にする手間のかかる作業の後に出来るもので、思惑どおり、後に引かない角の取れた優しくまろやかな塩で、旨味調味料なしでも肉の旨味を何倍にも引き出してくれる焼き鳥に最適な塩に仕上がりました。


炭は生き物


炭は生き物と同じように、時間の経過とともに変化します。火の付き始め、ピーク、焼け細り、灰へと変化します。同時に着火した炭も、太さ、硬さ、乾燥度などで燃え方も違います。これら千差万別の炭を継ぎ足しながら焼き台を最高の状態で何時間もキープさせ、尚且つその中で強火、弱火を作るのも経験の賜物です。


熱くても塩は手から落とす


焼き鳥は鶏の色々な部位を使います。鶏の部位によって塩の感じ方が違います。それは脂の量、旨味の強さ、形状、カットの仕方、重さなど様々な要素が原因です。焼き台に何十本と載った違う部位の串一本一本に対し、経験に基づく感覚でそれぞれの最適な量を、微妙な調整が出来る人間の指先から直接落とします。これが焼き台前に立てるまで何年もかかる所以です。


丁寧な串打ち、ここれで味が決まる。


同じ厚みに仕込んだ串達です。

毎日数千本刺す串でもお客様にとっては一期一会の串。最高に美味しい焼き鳥をお出しするには、形も揃えて丁寧に刺す事が大事。目方に気をつけ、あちこち波打たないように刺し、全部長さも揃える。その結果一番大事な”同じ厚み”の串が仕上がる。そうしないと一本の串でレアとウエルダンが出来てしまうし、塩感も違ってしまいます。

焼く前の串たちが美しく揃ってないとおいしい焼き鳥は焼けません。


料理を引き立てる器も大事


料理を引き立てるには食材や調理技術に加えて器の力も欠かせないものと考えています。

地元美濃焼の名窯「玉山窯」の織部焼、志野焼、黄瀬戸焼の器の力をお借りして、さらにおいしい料理に仕上げて丁寧にお運びいたします。欠けた器も金継ぎして使っています。


美味しく食べて頂ける為に


焼き鳥は焼きたてが一番美味しいです。だから盛り合わせはやらず、焼きたてをひと品づつお皿に乗せて取りやすい位置にお出しします。

大人数での宴会でも迷い串がでない様に誰の串なのかわかるようそれぞれの方に串を向けてお出しします。接待の方には全ての串や料理を銘々にお出しするコースも用意しています。喜んでいただくために手間を惜しまずの精神です。


ご不便お掛けしないように


トイレの空き情報がわからず何回も行ったり来たりする経験から、トイレの前まで行かなくてもわかるようなサインを探しましたが世の中には無かったので作ってもらいました。きんぼし全店に設置してあります。